「女性による女性のための相談会」報告と政策提言の集会
下町ユニオンニュース 2022年5月号より
4月20日、衆議院第二議員会館にて、12月25-26日、1月8-9日の年末年始に新宿・大久保公園で取組まれた「女性による女性のための相談会実行委員会」主催の報告会が開催され、現状の報告と具体的な女性への政策提言を行った。当日はオンラインも含めて、約170人が参加。
年末年始の相談件数は、382件となり、昨年3月・7月の相談会より更に困窮化と深刻さが増している。今回特徴的なのは、40代50代が半数以上を占めた中高年単身者女性が多いことで、背景には、元々顕著だった女性の低賃金労働によって貯蓄もなく、失業しても年齢制限のある「給付金」「人材育成」等から排除され、就職が非常に困難であることに加え、「自己責任」との認識に自ら声を上げにくい現状がある。DV被害の女性についても、保険証も口座もない、離婚が成立していないと支援も受けられず、住居と仕事の確保と言う経済的自立を支援出来なければ、ますます「女性の自殺」が増加していくとの指摘もあった。
住宅問題としては、家賃の滞納によって追い出されても、保証人がいず住民票もないという中、公的な援助や中高年単身女性の公的住宅も必要であること。現に生活費の中での家賃負担はかなり重圧でシェアハウスやネカフェに寝泊まりしている女性も増えている。
労働政策では、非正規雇用で低賃金の女性は、失業するや生存権が脅かされる自体に直結するので、労働のセーフティーネットを当事者に伝わるように確立すること、特にシフト制の雇用契約により休業補償や雇用保険も受け取れず、無収入などの困窮化が更に進んでいる。男女間賃金格差の是正や最低賃金の引上げ、フリーランスの問題なども提起された。
生活保護の問題については、各市町村によるローカルルールの廃止、扶養照会の停止、相談員の向上など、この間の経験を踏まえた提案がされた。
最後に、国が主導している公務労働現場における非正規雇用の促進と女性労働者への「使い捨て」ともいえる「会計年度任用職員制度」の問題点についてアンケートを基にした問題提起があった。 総じて女性の相談は、多重的かつ全世代に亘っており、ジェンダーの視点をもった公的な切れ目のない支援が必要であるとの報告と政策提案だった。
各政党の国会議員に提言を手交。ぜひとも実現してほしい。 次回は 7月1日、2日文京区での相談会が予定されています。(山本)