現代版「奴隷労働」―外国人技能実習制度の廃止を!全国キャラバン

 東京労働安全衛生センターは、これまで福島で除染労働に従事させられたベトナム人、暴力被害を受けたカンボジア人技能実習生の労災相談や受入れ企業や監理団体との交渉に取り組んできました。

 若いアジアの青年たちが、高額な借金を背負って来日し、最低賃金以下の安価な労働力として、人手不足に悩む様々な日本労働現場で働かされてきました。長時間労働しても残業代も支払われず、病気や労災になっても十分な補償を受けられない。劣悪な宿舎の一室に数人が寝起きし、少なくない費用を給料から差し引かれ、パスポートも取り上げられる。労働法令違反とともに、暴力やセクハラ、妊娠解雇など、不当な人権侵害も多発しています。実習生は高額な借金を背負っているため、強制帰国をおそれて権利救済の行動することもできない状況に置かれているのです。

 外国人技能実習制度の実態は、まさにアジアの青年たちを食い物にし、搾取する現代の「奴隷労働」に他なりません。国連人種差別撤廃委員会からも「劣悪な労働条件、虐待的かつ搾取的な慣行及び債務労働のような状況」を批判され、技能実習制度の見直しと政府による徹底した監督の必要性を指摘されています。

 外国人技能実習制度は、一九九三年、途上国への技能・技術移転により国際貢献することを目的として作られました。しかしその本質は慢性的な人手不足に苦しむ日本の産業界が安価な労働力として実習生を活用することにあります。

 まやかしの国際貢献である外国人技能実習制度を一刻も早く廃止し、外国人労働者に安定した在留資格と雇用保障を整備し、受け入れることが問われています。

 今年、法務大臣は外国人技能実習制度を再検討するための勉強会を始めました。さすがに政府としてもこれ以上、欺瞞的な制度の運用を続けることは困難と判断し、法改正を検討しているようです。

 法務省は、昨年四月、難民の在留管理を強化する出入国管理法の改正法案を国会上程しました。国会前シットイン行動を先頭に、反対運動の高まりにより法案は廃案になりました。しかし次期国会には、不十分な外国人技能実習制度の見直しとともに、出入国管理法の改正法案の再上程を画策していると思われます。

 五月、移住者と連帯する全国ネットワークの呼びかけで、外国人技能実習制度廃止!全国キャラバン実行委員会が結成されました。今こそ政府の欺瞞的な「制度改正」ではなく、外国人技能実習制度の廃止と労働者として労働権と人権が保障されたまっとうな「受入れ制度」の創設を実現しましょう。全国を巡るキャラバンでは、各地で街頭宣伝やスタンディング、タウンミーティングなどの行動が行われています。五月二二日からキャラバンはスタートし、六月一二日午後には東京・上野でパレードを行い、一三日には政府への要請行動を行います。

 全国キャラバン行動の模様、スケジュールの情報は専用ウェヴサイトやSNSでリアルタイムに発信しています。ぜひご覧いただくとともに、お近くの行動にご参加下さい。

K.I(東京労働安全衛生センター)

 
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