3/13-14 女性による女性のための相談会

下町ユニオンニュース 2021年4月号より

 年末年始のコロナ相談村に訪れた全体の二割近くが、女性だったことがきっかけとなり、女性のニーズに合わせた対応ができる場所を作ろうと1月中旬から約60名近い女性のみの実行委員会が動き始めた。
 それが3月13、14日の二日間新宿の大久保公園で開かれた「女性による女性のための相談会」である。

 一日目は大雨と強風の中でのテント張りと物資の納入から始まり、その状況を撮影したNHKが昼のニュースで放映。10時には、前日のラジオで聴いたという女性たちが受付に並んでいた。
 テントは、カフェを中心にぐるりと丸く張られ、お茶やお菓子を用意して、話を聞きながらテント内の医療・法律・労働等の専門ブースに案内するやり方で、嵐の中にも関わらず安心して談笑する風景が見られた。
 二日目は快晴となり、新宿周辺を宣伝した効果もあって、99人が訪れ、カフェは大いに賑わっていた。
 
 全国から寄せられた野菜、果物、米や花などが2トントラックで運ばれ、企業から無料で提供された生理用品や洋服やバッグが並ぶマルシェに相談者の顔もほころぶ。二日間のボランティアは200人を超え、下町ユニオンからも女性組合員、6名が参加した。
 
 2日間の女性の相談は122件。年代は、20代から80代であるが、多くの女性が働く場所を奪われ、すでに家賃や生活費が支払えない深刻な生活状況にある。また性暴力やDV被害による「心と体」の相談も多かったとのこと。

 現在も、相談チームによる生活保護申請や様々なアフターケアが引き続き行われている。女性の区議会議員も多く訪れたが、今後の地域での受け入れ態勢など課題はたくさんある。

 野村総合研究所の調査によると、コロナ禍により今年2月時点でパート・アルバイトの女性の約3割がシフトを減らされており、5割以上の収入減少と休業手当を受け取っていない人を「実質的失業者」と定義し、その数は全国で女性103万人、男性43万人以上にのぼるとされている。
 一方でのDV被害や育児や介護など家族的責任、性暴力などの問題が増えており、女性の相談は法律や生活相談に留まらず、一人の相談でも多岐に亘っていると思った。

 これからも出来ることをやっていきたい。(Y)

全国から野菜、果物、米などの食べ物だけではなく、生花も寄せられました。

相談会に参加して」  組合員からの感想
 
 杉並区から自転車で来られた高齢の女性や、3歳くらいの幼児を連れた若いお母さまもいました。高齢の肉親を自宅に一人で置いてきたから、食料もらえたらすぐ帰らなくてはならないと話している介護を担う女性も来てくれました。
 DV被害からやっと逃げてこられて、話を聞いてもらえて「安心できた、ありがとう」と帰りがけに受付で泣きながら報告してくれた方もいました。
 「コロナで失業して、お金もなくて、行政にも冷たくされてどこに行けばいいかわからなくてここに来た。」受付で、暗い顔で話されていた方が、相談や支援を受けて帰る際は、顔がとても明るくなっていて、私も嬉しかったです。
 私自身は14日のみの参加でしたが、コロナで困窮した女性たちの力になれたと感じられ、参加して本当に良かったです!(I)

 私はわずか数時間の参加でなんのお手伝いもならなかったのですが、大きな成果がありました。
 コロナ禍で、苦悩する女性たちとそうした方々を応援する確かな女性たちのネットワークを身近にみることができて、暖かい気持ちになれたのと力強さを感じることができたことありがたく思っています。
 長いこと引きこもる生活が続きましたが、停滞した活動に向けて背中を押されたような気がしています。ほんとうに有り難う。どうかみなさんお体に留意し頑張ってください。(O)

会場の参加者メッセージ
会場に張られたメッセージから