年越し支援・コロナ被害相談村 ボランティアに参加して

下町ユニオンニュース 2021年2月号より
 12月29日、30日、1月2日に新宿・大久保公園において、労働組合と日本労働弁護団、市民団体で、「年越し支援コロナ被害相談村」(略称年越しコロナ相談村)が開催されました。
 私も次女と二人で12月30日のみですが、参加させていただきました。
「大晦日や元旦にコロナで解雇されたり、お給料の未払いで、家を追い出された人もいるんだよ。大晦日や元旦でごちそうを食べる時期に、食べ物が無い場合もあるの。解雇なら、労働組合や弁護士が会社と話して、休業補償をさせたり、家が無い場合は東京都が借り上げているビジネスホテルを案内したり、お弁当の配布もするの。」と次女に前日に説明すると、「お手伝いしたいな」と次女が言い出しました。
 当日の朝、雨も降っていて次女が寝ていたので私一人で出発すると、次女から「私も新宿駅着いた」とLINEがありました。
 二人で大久保公園に駆け付けると、ちょうど駅前に相談村の宣伝に行く下町ユニオンの女性メンバーお二人と会えました。
 ボランティア受付に行くと、女性専用ブースに行くように言われました。そこは相談者のほか、支援ボランティアに来ていた他の労組で争議中の女性組合員や、女性弁護士から挨拶をされました。温かいお茶までいただきました。しばらくすると公園入口の受付に応援に来てと、山本委員長が呼びに来てくれました。
 公園入口には来場者が最初に通る受付があります。ここではまず非接触型体温計で額や手首で検温したり、手や指に消毒スプレーをさせてもらいます。
次に、相談希望か、ボランティア希望か、報道関係者か、カンパにいらした方か、目的を伺い、番号札を渡したり、それぞれのテントに振り分けて案内をするのです。
 次女は、来場者が途切れた時間に、紙コップにヤカンのお湯でお茶を淹れて、支援者に配ったりしてくれて嬉しかったです。
 女性が警戒したり、不安を感じないようにと、女性の来場者は必ず女性の支援者が、女性専用ブースに案内するルールがありました。次女は来場者の緊張をほぐすような言葉掛けをするなどしてくれました。
 暗くなってから、「交通費がなくて大久保公園まで歩いて来た」と言う女性が大荷物を持って来ました。弁護士の相談ブースに案内して、さあ私達も帰ろうかと思っていたら、その女性が荷物を持ったまま走り去ろうとするのが目に入ったのです。
 次女が咄嗟に追いかけて説得していると、追いかけて来た弁護士も追いつきました。弁護士が彼女に付き添い、次女と私とで荷物を持ち、東京都の宿泊施設に同行する事ができました。
 次女は「たくさんの人がコロナで困っている事を自分の目で見て驚いた。カンパと言ってお金や物を持って来てくれる人がいると思わず、そちらもびっくりした。自分と同じくらいの10代、20代の女の子たちも相談に来ていたのが印象に残った。こんなに困っている人がいるなら、みんなで何とかしないといけないと思った。」との感想を話してくれました。
 私も次女の意外な姿を見られてびっくりしました。また一組合員としても、参加して良かったです。 ( I )
報 告
■年末押し迫った時期でしたが、2008年日比谷・年越し派遣村を担った弁護士、労働組合が中心となり呼びかけがあり、取り組まれました。準備段階には参加できませんでしたが、当日3日間、下町ユニオンからも延べ18名が参加しました。
■相談村の主な活動は、相談者が宿泊場所を確保できるように「TOKYOチャレンジネット」(東京都による新型コロナウイルス感染症の影響による失業などにより住まいを失った人たちに対する区市と連携した年末年始の一時的な宿泊場所提供の取り組み)への申請手続きを手助けすることと、相談者が食事などに困らないように食事の提供と少額生活費給付を行うことでした。
■3日間の相談件数は、344件。うち女性からの相談が62名。外国人相談者も23名訪れました。
年代別では、10代1名、20代20名、30代56名、40代75名、50代72名、60代55名、70代25名、80代8名、不明32名。
相談内容は、生活171件、住居33件、食事67件、仕事44件、入管10件など。
12年前のリーマンショック・派遣村の時は6日間で相談者が520名ほどだったので、それを上回る相談件数になりました。派遣村の時は製造業派遣の男性がほとんどで女性は数人でしたが、今回のコロナ被害相談の特徴は、女性の相談者が多かったこと。また、外国人の相談者が多かったことが挙げられます。
■相談村後も、チャレンジネットの宿泊、就職支援につながった相談者の生活保護申請での同行や居宅の確保、外国人相談者の入管・生活相談などフォローが続けられています。
実行委員会は、「年越し」を外した通年的なものとなり、女性相談村も3月に予定されています。生活保護、失業給付改善の政策要求もまとめていくこととなっており、労働組合の取り組みとして継続されていきます。