08年3月号/解決事例から/受講しました/地域から・すみだ/他

《最近の解決事例から》
 ジンギスカン料理の店C
 古くからの組合員であるバングラディシュ人のAさんから、ジンギスカン料理店で昨年8月末に解雇されたとの相談がありました。店長からは「新しい店長が来るので、自分も含めて全員辞めることになる」との話でした。しかし、実際はこの店長は札幌の店に戻り、アルバイトの一人は継続でした。いいかげんなことをやってきた前の店長やアルバイトがクビにならず、まじめにやってきた人が辞めさせられたことにAさんは納得できませんでした。社長に事情を説明すれば分かってくれるかもと自主交渉を試みましたが、社長は直接話を聞こうとせず、新しい店長は店の赤字が原因で整理解雇したと説明をするだけでした。
 ユニオンで団交をもち、新店長は対応がうまく出来なくて、会社は弁護士を依頼し、Aさんも他で仕事を始めたこともあり、会社が退職慰労金を支払うことで和解しました。
 焼肉店S
 Aさんの紹介で、4人のバングラディシュ労働者にビザが無いことを理由に会社から解雇されたとの相談がありました。4人は有名デパートの焼肉レストランの厨房で働いていました。昨年10月に、会社がデパートから確認するように言われたとしてパスポートの提出を求めたことがきっかけでした。一ヶ月前の解雇予告をしてはいました。しかし、有休も無く残業の割増手当もありませんでした。会社は非を認めてタイムカードも提出しましたが、非常に経営が苦しいということで、年末に残業代を精算することで解決をしました。
《受講しました》
 労働セミナー「労働問題としての介護労働」
昨年4月に介護保険制度の見直しに伴い、法改正がされ、新制度がスタートしましたが、さまざまな問題点が浮き彫りにされてきています。介護労働の厳しい現実が社会的にも問題となり、また、利用者側からもサービスを十分に受けられないという悲痛な声があがっています。 
このような状況の中で、東京都労働情報センター亀戸事務所主催の労働セミナー「労働問題としての介護労働」が4回にわたって開かれました。
第1日目は「介護労働の実相」~低賃金、過酷、不安定」労働に苦悩する介護ワーカーと題して、介護福祉ジャーナリストの田中元さんが取材を通して見えてきた介護労働者の労働実態について話されました。在宅介護、施設介護にかかわらず、介護ワーカーの低賃金に拍車がかかる一方、利用者側の負担、不満が増大し、現場の介護職が苦情等を受けやすくなっています。そのため介護職のメンタルケアも必要になっています。低賃金に加え、肉体的・精神的負担が急増しているため、離職率も他業種に比べ、高い数字を示しています。
では、介護労働者の人材確保、待遇向上のためにどうしたら良いか。まず、生活を支えるだけの賃金確保を実現するために、人件費が適切に配分されているかを検証し、最賃法労基法が遵守されているかをもう一度見直す。その上で、財源となる介護報酬の見直しを考える。次に、介護保険事業適正化の前に、労働環境としての介護現場適正化を図ることが必要。そのためには労基署の指導・勧告を徹底させ、介護現場における労働組合なども有効と思われる。等々の話がありました。
第2日目・3日目は「介護労働と労働法のポイント」と題して弁護士の中野麻美さんが講演をされました。訪問介護ヘルパーの労働者性について、指揮命令を受けて働く以上、労働法の適用を受ける労働者であるとし、労働時間、休業補償、有給休暇、雇用保険の適用などを労働法に基づいて説明を受けました。パート、派遣などで働く介護職も多いために派遣法・パート法にふれ、均等待遇原則を求めて行くことの必要性を強調されました。
第4日目は「介護労働と労働組合」と題して介護・家政職ユニオン書記長の林丘さんから労働組合として労働者供給事業を運営し、成果を上げているという話をお聞きしました。訪問介護ヘルパーはみな組合員で、組合員出資によるケアフォーラムという企業組合に派遣され介護サービス提供を行う仕組みで運営されています。介護報酬に対する賃金率は世間水準45%のところを60%の賃金率を維持しているとのこと。労働運動としての事業運営に際し組織活動を担っていく人の育成が課題とも話されました。
介護労働者が生活できる賃金を得て、安定して働き続けられるような法制度の実現、また、利用者が安心して十分な介護を受けられる制度の実現を求めて働きかけて行きたいと思います。
《地域から:すみだ》

   基地はいらない!横須賀ツアーに参加して

 2月24日、原子力空母の母港化に反対する住民署名を4万名も集め、沖縄や岩国、座間と同様に日米軍事再編で激震している横須賀港へのバスツアー(解放同盟墨田支部の主催)に参加した。50人を越える人で満杯のバス内では、米軍の犯罪が20万件を超え1700人以上殺されていながら、ほとんどうやむやになっていること、全世界に配置されている米軍の4分の1の部隊が日本に駐留し、住居や光熱費はもとより娯楽施設からマニュキュア代まで年間6000億の税金が使われていること、空母の原子炉事故では関東全域120万人の死者がでるなどの具体的な学習があった。
 残念ながら強風により船での見学は中止になったが、港を見下ろせる公園では現地で反対運動を続けている方から説明を受けた。漁船を真っ二つにした「あたご」も目の前で停泊している。「国のために働いてるんだから漁船がどいて当たり前の感覚でしかない」とのこと。滑走路をもつトマホーク搭載の駆逐艦なんて山のように大きくて全長もみえない。
 生活も健康もそして命も脅かされる基地建設や空母の母港化、人を人とも思っていないことは繰り返される少女暴行や事実を隠蔽する軍の対応にもはっきりしている。本当に自分たちの問題として反基地の運動に取り組まないとと思った一日だった。