江東労組連 春期公開労働講座「『育成就労制度』の概要と問題点-外国人労働者との共生社会の実現に向けて-」
(下町ユニオンニュース 2024年5月号より)
3月 28日、江東労組連による春期公開労働講座に参加しました。
講師は 中村 優介 弁護士(日本労働弁護団事務局次長)です。
現代の奴隷制とも呼ばれ、人権問題となった「外国人技能実習制度」にかわり新たに「育成就労制度」が創設され、その関連法案が今国会に提出されて審議入りしました。
中村弁護士からは、現行の「外国人技能実習制度」で起こったたくさんの問題、賃金未払、不当解雇、労災隠し、多額の渡航前費用の徴収、保証金徴収・違約金契約などなど人権侵害、違法行為が「横行」していることを具体的な事例で報告されました。
強制帰国条項と「妊娠」問題として、技能実習生のベトナム人女性が妊娠すると、「中絶するか、ベトナムに強制帰国かのどちらかを選べ」と研修施設の担当者に迫られ、逃げた事件がありました。中村弁護士は「本来、喜ばしいはずの妊娠に対してこのような非人道的な扱いは許されない」と語っていました。
新たに創設される「育成就労制度」もこの「技能実習制度」と基本的な構造は同じです。
転籍に制限をかけていること、民間の送り出し機関による手数料問題、監理団体制度の存続で管理費の徴収問題、特定技能1号の5年を入れると最大8年間家族の帯同が禁止されている事も大きな問題です。
新しい制度も、外国人労働者の人権を充分に保障できない奴隷的なものです。
「看板を掛けかえただけ」の「育成就労制度」と抱き合わせで「永住に繋がる特定技能制度による外国人の受入数が増加することが予想される」として「故意に税金などを滞納したら永住資格を取り消せる」ように「取消す事由の範囲を拡大する」ことも法案に入れています。
育成就労制度と永住許可取消しの入管法改悪案について法務委員会で審議が始まりました。国会前での抗議行動も取り組まれています。議論もなく突然出てきた「永住権取り消し」。当事者とその家族は、本当に不安を感じています。
署名「永住許可の取消しに反対します」に
ご協力をお願いします!
第3次締切: 5月8日までです。
QRコードをクリックすると、署名サイトにアクセスできます。
外国籍住民、海外から来た働く仲間と連帯して労働者としての権利を、人間として当たり前の生きる権利を守っていこう!(I)