市民の声・江東 区政報告会 「デンマークからの報告」

(下町ユニオンニュース 2024年8・9月合併号より)

恒例の区政報告会、毎回、スペシャルゲストを招いています。今回7月20日の報告会では、昨年1年間、デンマークに留学していた長谷川志帆さんにデンマークの社会や文化、制度などを報告していただきました。長谷川さんは、現在、障がい者支援の社会福祉法人で仕事をしている社会福祉士です。ジェンダーやセクシャリティを考える団体「クロスオーバー・こうとう」のメンバーでもあります。

デンマークは北海道の半分くらいの大きさで、人口はおよそ590万人(兵庫県くらい)だそうです。そして、ノーマライゼーションの父、バンク・ミケルセンが生まれ、活躍した社会保障先進国です。

日本と根本的な価値観がまるで違います。とくに民主主義に対する意識が超高い! 投票率は、なんと9割だそうです。また福祉国家ならではの消費税25%、所得税55%。マイナンバー制度が国民全体にいきわたっているとのこと。これはすなわち政府に対する信頼感が高い表れです。

さらに家族関係もびっくり! 片方の意思によりワンクリックで離婚ができる。そして、不倫も不法行為(慰謝料請求の理由)ではありません。事実婚、同性婚は当たり前、原則として共同親権。とっても自由なのです。子育てに国が重い責任を負っていて、育児サポートが確実に実施されているので、男女関係なくばりばり働いているとのこと。

こんなにも意識高い系な国ですが、どんなにシリアスなときでも「フュッゲ」といって『居心地がよい空間・楽しい時間』が重視されるそうです。「ライト(明るさ)・いす・マグカップ」がその条件とのこと。心地よさのもと民主主義が育まれるのは私たちの理想ですね。         (まにわ尚之)