最低賃金の大幅引き上げを!

(下町ユニオンニュース 2024年8・9月合併号より)

今年度の最低賃金の上げ幅の目安を決める中央最低賃金審議会目安小委員会が6月25日から開催され、全労連と全労協が共同して、毎回変更される会場前でアピール行動が取組まれました。下町ユニオンも最低賃金大幅引上げキャンペーン委員会として参加しました。

物価高騰は特に最低賃金の近傍で働く非正規労働者の生活に直撃していること、最低賃金の大幅な引き上げ、都道府県単位ではなく全国一律にすること、審議を公開することなど求めて参加組合から審議会の委員に向けてアピールが続きました。

 7月20日(土)には、全労連、全労協、最低賃金大幅引上げキャンペーン委員会など労働団体の枠を超えた『最低賃金あげろ共同アクション』による『7.20最低賃金上げろデモ』が取組まれました。夕方4時に新宿駅東口のアルタ前に集まり、まだ強い日差しの中、サウンドカーを先頭にデモ隊は出発して、大ガード下から新宿駅西口、南口に進み、伊勢丹前を過ぎて新宿区役所前までデモ行進が行われました。200名以上が集まり、下町ユニオンからも参加しました。あまりの暑さで汗だくになりながらもデモを貫徹しました。

最賃デモ

 今年の最低賃金の改定について、この間の中央最低賃金審議会で行われているように労使不一致の中で公益委員見解が取りまとめられて、ABCランクのすべてで50円引き上げる目安が答申されました。仮に目安どおりの引上げがされれば、全国加重平均1054円になります。これを受けて各地方最低賃金審議会で審議が現在行われています。東京の審議会は目安どおり50円の答申を出して、1153円となります。

 この中央最低賃金審議会の目安額について、マスコミでは史上最高額などとしていますが、千円超えは現在の8都府県から16都府県になるだけで、残り31県はいまだに900円台です。欧州や米国の州や都市では、コロナ下であっても大幅に最低賃金を上げてきました。日本の最低賃金は欧州や米、豪と比較して半分くらいの低い水準です。  今回の引き上げ額ではまったく物価高騰に見合っていません。最低賃金の近傍で働く、特に非正規雇用労働者は、本当に厳しい生活を強いられています。普通に働いて普通に暮らせる賃金が保障されるべきです。物価高騰に見合う引き上げ、最低賃金1500円をめざしてさらに運動を進めていきましょう