あらかぶさんの話を聞く集い @東京東部 ~東京電力の責任を問う、原発労働者の声~

下町ユニオンニュース 2025年12月号より

11月13日、亀戸文化センターにて『あらかぶさんの話を聞く集い@東京東部』が開催されました。

あらかぶさん(仮名)は、二〇一一年11月から一年半余り、鍛冶工として、福島第一原発の事故収束作業の現場に入りました。その後、2014年に白血病を発症。原発作業での被ばくが原因として、国から労災認定されました。あらかぶさんは東京電力らの責任を追及したいと2016年に損害賠償裁判を提訴し、今も裁判が続いています。

あらかぶさんは「東北の人々のために」と思い、家族の反対を押し切って、福島第一原発の事故現場に入りました。しかし、現場での安全対策はひどいものだったと言います。放射線に関する安全教育は健康障害についてまったく説明なし。放射線防護のための鉛ベストは数が足りず、破損していました。線量計も鉛ベストの下で計測し、放射線量は過小評価。危険手当すらピンハネされて、まともに払われないという状況でした。

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あらかぶさんは、故郷に戻ってすぐに白血病を発症し、闘病に入ります。激しい痛み、脱毛、高熱、下痢と一時は生死をさまようほど苦しいものでした。その後、白血病は寛解したものの、今も、うつ病の療養を続けています。

裁判で東京電力は、被ばくと白血病発症との因果関係を争い、自らの責任を認めない姿勢です。「発症は、喫煙など本人の生活習慣が原因だ」「100ミリシーベルト以下の低線量被ばくならガンにはならない」といった主張を展開しています。

東電の姿勢は原発で働く多くの労働者の命と安全を軽視し、使い捨てにしようとするもので、絶対に許せません。今後もあらかぶさんの裁判を共に闘い、支えていきましょう。(A)