関東大震災101周年  韓国・朝鮮人犠牲者追悼式

下町ユニオンニュース 2024年10月号より

 9月7日、今年も荒川河川敷で午後3時より、追悼式が開催されました。先立つ横網町公園での追悼式には今年も小池百合子知事は、追悼文を出さず、8月22日に交渉した山本亨区長も、「虐殺の事実」は認めつつ、追悼文を見送りました。
 しかし事実を隠すこと、なかったことにすることは許されません。今年の追悼式には例年以上に沢山の若い人が集まり、600人が心から殺された韓国、朝鮮の方を追悼しました。
 荒川の土手下にある追悼碑前の道には、花を手に長い行列ができました。
 追悼の歌は、京成線で荒川を越えて通学していた李政美さん。朝鮮語の歌声が河川敷と荒川の上に優しく響きました。
 当時の生々しい証言を読み上げるのは、ペンニョンのメンバー。20代から40代の若い人たちがこの追悼式の中心です。
 彼らのアイデアで手造りの凧が当日、荒川河川敷の空を舞い上がりました。少しでも無残に殺された方の生きたかったであろう無念さと繰り返すまいという静かな決意が伝わりました。虐殺された中国人ご遺族の手紙もまた、若い人が読み上げていました。
 今回は地元議員や民族団体の方も紹介され、地域に根を張った取組が広がっていることを実感しました。最後は、華やかな衣装と民族楽器で踊り、供養するプンムルの出番です。全員が手拍子で参加。踊りの輪にも加わりました。
 千葉県知事、埼玉県知事も今年初めて追悼文を送りました。地域の地道な運動が突き動かした成果ですが、やはり虐殺がまぎれもない事実であることが公文書でも明らかになっていることで歴史が正しく認識されてきているのです。戦争につながる差別と排除、虐殺の歴史を繰り返させないために広げよう。(Y)