マーチインマーチ２０２４　開催‼

「奴隷労働の温存を許さない‼」

　3月10日、上野公園水上音楽堂横をスタート地点に、毎年恒例になっている、移住労働者の春闘行動「マーチインマーチ２０２４」のデモと集会が行われました。

　今年も、全統一労働組合、全国一般労働組合東京南部、神奈川シティユニオン、東京労働安全衛生センターなどが構成する実行委員会の呼びかけで、約250人の参加者があり、多くの移住労働者が声を上げました。

　今年は、通常国会で、技能実習制度から育成就労制度へと変更する法案の提出が予定されています。技能実習制度はこれまで、人権侵害が多発し、「現代の奴隷制」「人身売買」と批判されてきました。政府は、この制度を発展的に解消し、人材確保と人材育成を目的とする新制度「育成就労制度」を創設するとしています。

　しかし、予定されている新制度の中身は、技能実習制度の看板の掛けかえに過ぎません。相変わらず、移住労働者を「労働力」というモノと見なし、転籍の自由（職業選択の自由）や家族帯同を認めないまま、一つの職場に縛りつけて奴隷労働を温存し、数年で帰国させる（使い捨て）というあり方を変えないつもりなのです。

　さらに政府は、永住許可の資格取消の範囲を拡大するという法改正も予定しています。将来的に予想される永住者の増大を防ぎたいという狙いがあると言われており、極めて排外主義的な政策です。

　今や日本経済の現場は、多くの移住労働者によって支えられています。移住労働者は私たちの同僚であり、隣人です。しかし、政府や経済界は、彼ら彼女らを使い捨ての「労働力」と見なし、日本に定住する「人間」として扱わないという方針を維持しようとしているのです。

今年のマーチインマーチでは、こうした政府の動きに焦点を当て、「私たちは奴隷ではない！」「永住許可の取り消しに反対します」「自由に移動し働ける自由を」といったプラカードを掲げ、「インターナショナル」や「ベンセレーモス」（南米の革命歌）などを歌いながら、上野の街をデモしました。

デモ解散地点の御徒町公園では、中南米、ベトナム、ビルマ（ミャンマー）、アフリカなど、様々な国・地域にルーツを持つ労働者がアピールし、移住労働者の生活と権利のために連帯して声を上げました。（天野）