あらかぶさんの話を聞く 東京東部の集いに参加を

福島原発事故における被ばく労働の責任を問う

 2011年3月11日、東日本大震災が発生、巨大地震と津波に襲われた東京電力福島第一原発は全電源を喪失。原子炉格納容器の核燃料がメルトダウンし、一号機、三号機の建屋が相次いで水素爆発を起こし吹き飛び、大量の放射性物質が大気や海に放出されました。福島はもとより、この先日本はどうなるのか。私たちは恐怖と不安を抱えながら、福島原発事故の模様を、固唾をのんで見守るしかありませんでした。

 北九州でおなじ思いを持ちながら福島原発事故の状況を見ていた一人の男性がいました。彼には当時七歳の息子をあたまに三人の子どもがいましたが、鍛冶工としての技能が役に立つならと、家族の反対を押し切り、仲間を募って福島に向かいました。私たちはその人を「あらかぶさん」(仮名、当時36歳)と呼んでいます。

 あらかぶさんは、福島第二原発の四号機原子炉建屋の耐震工事、玄海原発の定期検査を挟み、福島第一原発の三・四号機原子炉建屋のカバーリング工事に従事しました。

 2013年1月、北九州に戻ったあらかぶさんに病魔が襲います。急性骨髄性白血病と診断されたのです。生死をさまよう恐怖、不安からうつ病も発症。それでも福島原発での被ばく労働以外あり得ないと確信し、労災認定を勝ち取りました。ちなみに福島原発事故後の放射線被ばくで、白血病8人、真性赤血球増加症1人、咽頭がん2人、甲状腺がん2人、肺がん2人、結腸がん2件、合計17人が労災認定されています。今後長期化する事故収束・廃炉作業で作業員の累積被ばく線量が増え、ますますがんなどの健康障害が起きることが想定されます。

 裁判は2022年3月の第23回期日を最後に口頭弁論は開かれず、原告・被告双方による進行協議と主張・立証のための準備書面や証拠資料の提出が続いています。そのためあらかぶさんは、福島原発事故の現場の実態や経験を伝えるために全国行脚に取り組んでいます。

 この度、東京東部であらかぶさんの話を聞く集いを開催します。ぜひ皆さんのご参加、ご支援をお願いします。