東アジアレイバーフェスにて、ケア労働の実態を訴えました
下町ユニオンニュース 2025年11月号より

10月3日〜11日、上智大学で「東アジア・レイバーフェス2025」が開催され、日本・韓国・中国・台湾などの労働者や研究者が集まり、働きやすい社会の実現に向けて議論が交わされました。
私は10月5日の分科会「もし社会の組織原理が『ケア』だったら?」にパネリストとして登壇し、保育士経験をもとに日本の保育・介護現場に蔓延する「やりがい搾取」の実態を報告しました。
バザー準備で一晩に11枚のポスターを描いたこと、昼休みも取れずに連絡帳を手書きする日々、怪我対応で無給待機を求められるなどの例に、海外参加者は驚いていました。
「我慢は美徳」という文化がケアワーカーの組織化を阻んでいると指摘し、「ケアを受ける側と担う側の連帯」の重要性を訴えました。
米国の教員組合の成力例も紹介し、「労働条件の改善こそが、ケアの質の向上につながる」と訴えました。
下町ユニオンによる外国人労働者支援、SLAPP訴訟(※)への抵抗も紹介し、会場から大きな拍手を受けました。
最後に「国境を越えた連帯で、すべてのケアワーカーが尊厳を持って働ける社会を」と呼びかけました。(M.I)
※編集部注・SLAPP訴訟:相手への嫌がらせや言論の封じ込め、萎縮を狙って起こされる訴訟のこと。


