関東大震災102年追悼集会 歴史の教訓を胸に、国際連帯を誓う

下町ユニオンニュース 2025年10月号より

王希天さんが殺害された「逆井橋」のたもとで、追悼集会が行われた。写真の上に今の「逆井橋」を支える青い鉄骨が見える。
殺害された中国人、朝鮮人の遺族の方々も来日され、参加されていた。在日中国人や地域の日本人、労働組合、諸団体の参加もあった。

8月31日、関東大震災から102年を迎え、虐殺の犠牲となった朝鮮人・中国人犠牲者を追悼する集会が各地で開催されました。虐殺の歴史を風化させず、差別や排外主義に立ち向かう重要な一日となりました。

江東区の逆井橋では、大震災の中で虐殺された中国人リーダー・王希天さんの追悼集会が開かれ、下町ユニオンの委員長として私も発言しました。当時の日本軍や官憲が意図的にデマを流して多くの命が奪われた事実を非難。日本政府の補償や謝罪がない事に対し「私たち日本人側の力不足です。申し訳ありません。」と遺族に深くお詫びしました。また、労働者の人権を守るためのユニオンの活動の中で、王希天さんの精神が大きな支えとなったことを語り、地域労組として歴史を継承していく決意を表明しました。

王希天さんを追悼する花束が遺族の手によって手向けられた。川の静かな水面が上に写る。

午後には明治大学で追悼大会が開催され、韓国や中国の遺族に加え、日本の国会議員も参加。ヘイトやデマの恐ろしさを再認識し、二度と悲劇を繰り返さないことを誓い合いました。

一連の集会は、過去の出来事を偲ぶだけでなく、現代社会にはびこる排外主義に対し、国境を越えた国際的な連帯を強めていくことの重要性を強く訴える機会となりました。
(石井美登理)