市民の声・江東 区政報告会
下町ユニオンニュース 2025年1月号より
12月14日に亀戸文化センターにて、シンポジウム「認知症もいろいろ! 楽しくいこう!」と題して、区政報告会が行われました。
国は、12月3日に認知症基本計画を閣議決定。「新しい認知症観」を提唱する計画です。この計画に基づいた最新の高齢者福祉が議論されました。
登壇者は、認知症の当事者の飯塚さん、地域包括支援センターの社会福祉士 堂西さん、ケアマネジャー・看護師の由良さんです。それぞれの立場から意見交換をしました。
当事者の飯塚さんは、61歳のときに若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。いままで認知症ではない「外の人」だったのが、いきなり「中の人」になり、暗澹たる気持ちになったそうです。しかし、当事者の会に参加し、談笑しているうちに「認知症は、高齢者の5人に1人がかかるもの。カゼのようなメジャーな病気だ。こわくない」と前向きに考えるようになりました。いまは趣味の写真に熱心に取り組んでいます。会場でも素敵な作品を披露。自分らしい生き方をエンジョイしています。
社会福祉士の堂西さんからは、「そもそも古い認知症観が認知症の人を無力な人間として扱っていた」という重要な指摘がありました。
ケアマネ・看護師の由良さんは「自分は認知症の人への対応が苦手」と告白。疾病ばかりに着目してしまい、認知症の人の自分らしい生活に視点が向かなかったそうです。
認知症は、ごく当たり前のこと。認知症とともにその人らしい生き方ができます。これが「新しい認知症観」です。(まにわ尚之)