第36回コミュニティ・ユニオン全国交流集会 開催
水の都大阪で400名が集まり、交流
総会報告
10月5日~6日にエル大阪で、コミュニティユニオン全国交流集会が開かれました。北海道から九州まで60近い全国のコミュニティユニオンと、韓国から非正規ネット代表と民主労総の代表を含め400名余りが参加しました。
13時に せんしゅうユニオン・西田弘美さんが開会宣言を行い、共同代表のあいさつのあと、自治労・茅原秀行さん、移住連・鳥井一平さん、社民党・大椿ゆう子さんから来賓のあいさつをうけました。
13時30分から総会が行われ、経過報告・活動方針案の提案を川本浩之事務局長が行いました。川本さんは、「ユニオンネットワークはゆるやかな集まりで運営委員会も年3回しかできていない。地域ユニオンの集まりに出来るだけ参加してきたが、この報告はユニオンの活動のすべてではなく、いろいろな地域でさまざまな活動が行われています。」と話されました。活動報告活動方針、運営委員会体制、会計報告、予算などは全体で確認され採択されました。また「下町ユニオンからよこはまシティユニオンへの事務所移転の規約改正」も承認されました。
その後3つの特別報告が行われました。労災と認められたにも関わらずその取り消しを求めて訴訟をおこしたあんしん財団。しかし7月に最高裁が「使用者が不服申し立てすることは違法」との判決を下したのはご存じのことと思います。勝利した東京管理職ユニオンの仲間が闘争報告とまだ続いている闘いへの支援を求めました。
札幌地域労組からは、アメリカに本社があるアウトドアメーカー・パタゴニアが、「非正規雇用スタッフの更新は5年で上限とする」と決めたことに対して闘っている報告がありました。韓国からの特別報告は、韓国非正規労働団体ネットワークが行いました。二〇一二年から民間労働団体と自治体傘下の労働団体が共同して、非正規労働の変革のために闘っていて、今年は造船下請け工の労働改善を目指してワークショップを開いたとのことでした。
記録映画とトークショー、分科会の感想
休憩の後、ヘイトスピーチと闘う大阪の在日朝鮮人女性を記録した映画『もっと真ん中で』が上映され、映画を作ったオ・ソヨン監督、反ヘイトスピーチ裁判を闘った映画の主人公リ・シネさん、その友人で映画にも登場している民族学級の先生ヤン・チョナジャさんのトークショーがありました。映画はヘイトスピーチと立ち向かった記録だけではなく、大阪で暮らす在日朝鮮人コミュニティの力強さ、踊りや食など豊かな文化が自然に伝わってきて、とても感動的なものでした。上映後の三人のトークもそれを再確認出来てすごくよかったです。
あくる日は12の分科会が行われました。私は「ハラスメント相談にどう向き合うのか」に参加しました。
座長の西山和宏さん(あかし地域ユニオン)は、「今メンタルストレスが増加しているが労働組合として対応できていない。私たちが努力していること、ぶつかっている課題を出し合っていきたい。それが組織化にもつながっていくと思う」と分科会開催の問題提起をされました。
NPO法人ひょうご働く人の相談室・山西伸史さんは、「地域ユニオンが中心になって『相談室』を作った。労組OBや地域ユニオン活動家など28人が登録して相談にあたっている。相談対応するための研修会を行っている。被害を受けた人は自分の置かれた状態を正確に話せない。寄り添って聞かなくてはならないが、一方で労災認定の条件にあうかどうかも見極めなければならず、いつも苦慮している。相談員のスキルアップが重要だ」と話されました。
横浜シティユニオンの平田淳子さんは、ユニオンとネットワークを持つ診療所医師の依頼でゆるやかな患者交流会を行っている報告をされました。いずれの組織も相談者の話は必ず複数で聞いているとのことで、相談者に寄り添って、グループで対応することの重要性を学びました。 あっというまに過ぎ去った2日間でした。下町の仲間は10人参加して夜は楽しく交流しました。小畑精武ご夫妻が一生懸命販売した「語りつぐ東京下町労働運動史」も完売し、とてもよかったと思います。(N)
交流会では韓国のゲストが争議の時の歌と踊りを披露
(下町ユニオンニュース 2024年11月号より)