能登震災視察の報告

下町ユニオンニュース 2024年7月号より

 6月14日、女性相談会能登チームでこの間支援してくれた仲間を集めて少人数での報告会を開いた。

 5月12日から14日、震災から5か月たっているのに、水が自宅まで届かず、家の公的解体も進まず、仮設住宅にも入れない実態に驚いた。公的支援があまりにもない。

 輪島市被災者女性たちとの懇談会では、地震当日、体育館を自力でこじ開けた、ひと家族に煎餅一枚、毛布もなかったと。あれだけ地震が頻発していた輪島で〈備蓄がほぼなかった〉。トイレも女性たちが清掃したが2個しかなく感染症が拡大したこと、罹災証明書も空港事務所にあり車がないと取りに行けない、役所が個人ボランティアを受付けないので瓦礫の処理も進まない、仮設住宅は半壊以上じゃないと申込資格もなく家に戻った等、絶句するような状況がのしかかっている。

 翌日の珠洲市正院町での寺住職の連合いで元校長先生から、お寺は全壊したが避難所ではどう工夫してきたのか、の話しを聴けた。

 500人で小学校に避難してきた住民たちにまず家から必要な灯油や米食材を持ち寄り炊出しを開始、各教室から代表者を出してもらい、毎日ミーティングをして内容を壁に張り出す、介護医療・清掃・炊出し・見回り等の当番と決めて、男女関係なく取り組む。

子どもたちの作った壁新聞

 仮設トイレや女性更衣室、プライベートゾーン、シャワーは1月中旬で完備出来た。 子どもたちは壁新聞を作り、専門家は感染症対策のレクチャーする等など〈みんなの力でまわしていく〉ことを徹底したという。海辺にある珠洲市は、東日本大震災以後毎年避難訓練をしており、町の住民は顔なじみであった。もう一人の責任者も元校長で、民主的学校運営を実践していること、話を聴いたお寺の女性は日教組で「男女混合名簿」実現に動いていた組合活動家であり、コミュニティ内の人権をなにより大事にしている。
 対照的な場所に両方行ったことで大変有意義であった。これからも支援していきたい。
(山本)