労働者派遣法大改悪法案、臨時国会へ再提出へ

9月29日、政府は前の通常国会で廃案となった労働者派遣法改定案を閣議決定し、臨時国会へ再提出しました。
「臨時的・一時的業務」「専門業務」に限定するとした派遣法の大原則を投げ捨てるこの改定案は派遣法を根底から変質させるものです。
派遣先は派遣労働者を代えて使いまわせばすっと派遣で業務を続けれることになります。不安定な派遣労働が拡大することは目に見えています。
安倍政権は「『女性の輝く社会』の実現」を掲げています。女性労働者の半分が非正規雇用です。派遣で働く事務職など多くは女性です。派遣労働の規制緩和でどうして女性や若者の安定した雇用が増えるというのでしょうか。
派遣労働はいってしまえば「ピンハネ」労働の拡大、「派遣切り」「派遣村」に象徴されるように無責任雇用の拡大です。労働者派遣法の大改悪を許してはなりません。
山梨日日新聞電子版
http://www.sannichi.co.jp/article/2014/09/30/00008058
派遣法改正案を閣議決定期間制限廃止で攻防へ
2 0 1 4 年0 9 月3 0 日0 7 時3 1 分
政府は29日の臨時閣議で、現在は3年となっている企業の派遣労働者受け
入れ期間の上限を廃止する労働者派遣法改正案を決定した。民主党など野党は
「派遣労働を生涯続ける人が増える」と反発しており、国会で激しい攻防が予
想される。政府、与党は派遣労働者の雇用の安定やキヤリアアップにつながる
対策も盛り込んだとしており、同日召集の臨時国会での成立を目指す。201
5年4月の施行を予定している。
現在、企業が派遣労働者を受け入れる期間は、通訳や秘書などの専門的な業
務を除き、同じ職場で3年が上限となっている。改正案では上限や專門業務か
どうかの区分を撤廃。派遣労働が可能な全ての業務に対し、企業は労働組合か
ら意見を聞いた上で3年ごとに働く人を入れ替えれば、派遣労働者をずっと使
い続けられるようになる。
雇用安定措置では、同じ職場で3年を迎えた労働者に次の派遣先を紹介する
ことなどを派遣会社に義務付ける。悪質業者をなくすため、全ての派遣会社を
許可制にし、教育訓練などを通じ労働者のキャリアアップを図ることを求め
た。
改正案をめぐっては先の通常国会で、本来「1年以下の懲役」とすべき罰則
規定を「1年以上の懲役」と誤記したため、審議に入れず廃案となった。