第34回コミュニティ・ユニオン
全国交流集会in札幌

10月15・16日、札幌において開催された全国交流集会に、250名が集まり、下町ユニオンから12名(札幌在住含)参加した。今回のテーマは、「しる おこる こえあげる つながる ひろがる かわる」というもので、敷居の高いと思われる労働運動をわかりやすい言葉で表現したとのことである。いつもながら全国のユニオンの熱く、緩やかながらも強い結びつきを実感できる集会であった。
全国ネット総会では、岡本事務局長より、昨年の静岡集会の成功を受けて、最賃運動への取組や若手運動家の育成、外国人技能実習制度廃止の全国キャラバン等の報告がなされ、今年度の活動方針として、大きく二つの柱である「労働相談、組織化、社会的連帯のネットワークづくり・次世代をつなぐ取組みを強めよう!」が確認された。
3つのユニオンからの特別報告がなされた後、静岡集会主催実行委員会より、今までなかったコミュニティ・ユニオン全国ネットワークの旗の贈呈式が行われた。いつもニュースで目にするかわいいロゴ・CUNNをデザインに活かした素敵な旗が会場の大きな拍手で確認された。

静岡集会主催実行委員会より、コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの旗が贈呈された。
いつもニュースで目にするかわいい○△□のキャラクターが、各ユニオンや組合員一人一人の多様性を連想させる。


特別講演は、「先祖のように自由にサケを獲りたい」と題し、北海道で暮らしてきたアイヌの人々が生活の糧であるサケ漁の権利を奪われ、明治政府の支配下におかれてきた歴史と「先住民族の権利」を訴える訴訟の意義を、市川守弘弁護士より映像を使って分かりやすく説明された。
時間は短かったが、全国から集まったユニオンの仲間たちが舞台に並び、各ユニオンの紹介をして、初日は終了。美味しい北海道の料理を求めて、楽しい夜の交流を下町ユニオンも堪能した。
二日目は、10の分科会に分かれて、時間が足りないながらも充実した各運動の報告と経験交流を深め、「互いの経験や闘いを共有し、ひとりひとりは弱くても、力を合わせて連帯し、運動をつながることで少しずつ社会を変えていけることを学んだ。」集会宣言を採択して日程を終えた。来年は、熊本開催となり、下町ユニオンから多くの組合員の参加を訴えます。(Y本)

市川守弘弁護士による特別講演「先祖のように自由にサケを獲りたい」
北海道で暮らしてきたアイヌの人々が生活の糧であるサケ漁の権利を奪われ、明治政府の支配下におかれてきた歴史と「先住民族の権利」を訴える訴訟の意義を参加者全員で聞き入った。

分科会 報告

第1分科会「精神障害の労災認定」
 この分科会には約15人が参加しました。精神障害の労災認定の現状分析や事例共有が行われました。厚労省のデータでは、精神障害の労災申請はこの10年で約1000件増加し、年間2300件余りと増え続けていますが、認定件数は600件前後にとどまっています(認定率は30%ほど)。複雑な認定基準や労働時間などの立証の難しさなど、労働者にとってハードルが不当に高い現状があります。労災事例の共有では、パワハラで精神障害を発症したトラック運転手、利用者の自死に遭遇した介護職員のケースなどが紹介されました。また、退職強要やパワハラが原因の精神障害として労災認定を受けた当事者の方も参加し、ご自身の体験を話されました。
(江東・A野)

第3分科会「インターネット・SNS活用〜さらなる高みを目指すために使えるツールや施策の紹介〜」
 チラシに印刷するホームページのURLやQRコードのページを、配布場所によって変え、そのページのヒット数で効果のあった配布場所が特定できる!などのアイデアに驚きました。
 労働相談の事例の詳細、解決までの流れ、リンクをまとめて貼るページなど、次から次へとページを読んでもらえる「仕掛け」を作り、最後のページは「労働相談フォーム」にする等のアイデアや工夫を学ぶ事ができました。           (江東・I井)

第8分科会「労働組合のイロハ」
分科会は5階にある札幌地域労組の部屋で行われた。陸上トラックを小さくしたような楕円形のテーブルにゆったりふっくらした椅子に座れて始まった。座長は札幌地域労組専従鈴木一さんで1954年生まれの私と同じ年であった。すみだユニオン萩原分会は3年目になる。話を聞きながら組合結成の通告、通告後の出来事がつい先日のことの様に甦ってきました。なぜ団結権が必要か?労働法を守らせる、労使対等を実現する。頭を整理していただいた。詳しくは鈴木さんの本「小さな労働組合の勝つためのコツ」参照。(K)

第10分科会 道警ヤジ排除事件 ー一審勝訴!ヤジで排除は違憲違法
 2019年7月、安倍首相の選挙演説中に「安倍辞めろ」「増税反対」のヤジを飛ばしただけで、道警に排除、長時間付きまとわれた事件は、民事裁判の一審において、憲法で認められた表現の自由を認める画期的な勝利判決を勝ち取った。分科会では、当事者である桃井希生さんの生々しい経験と報告がなされた。嫌がらせであり違法でもある1時間以上にも及ぶ道警の付きまといや出鱈目な主張に怒りが収まらない。が、「このままなかったことに出来ない、民主主義の危機だ」と訴訟で闘った勇気と勝利に力づけられた。(Y)

最終日の全大会の後、参加者全員で「団結ガンバロウ」と声をそろえた。