シフト勤務の労働者のコロナ休業を認めよ

コロナで休業を強いられているシフト勤務の労働者に対して、会社が「休業にあたらない」などと詭弁を弄し、政府が設けた「休業支援金・給付金」制度の申請に協力することを拒み、労働者が収入を失ってしまう事象が全国で多発しており、大問題です。
下町ユニオンでは、(株)クリエイト・レストランツ・ホールディングス、㈱クリエイト・レストランツに対し、10月21日、コミュニティ・ユニオン首都圏ネットワークの一日行動の一貫として抗議行動を行いました。
今後、国会などでもこの問題を取り上げ、労働者に休業補償をさせて行くことが必要です。
抗議行動で配布したビラを紹介します。
(株)クリエイト・レストランツ・ホールディングス、㈱クリエイト・レストランツは雇用責任、社会的責任を果たせ!アルバイトに休業手当を支払え!
働く仲間のみなさん!市民のみなさん!  私たちは、いつでも、誰でも一人から加入することができる個人加盟の労働組合=下町ユニオン・ふれあい江東ユニオンです。私たちは会社に対して、アルバイト従業員に対して新型コロナによる休業期間について、休業手当の支払い、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」の申請に協力することを求めています。
シフト決定前だから休業には当たらない? アルバイトの生活はどうでもいいのか! 
組合員のバングラディシュの留学生Mさんは、台場のヴィーナスフォートにあるイタリア料理店『ポルトフィーノ』でキッチンスタッフのアルバイトとして昨年4月初めに入店。留学生なので週28時間以内で日本語学校が休みの土日はお昼からラスト、金曜は夕方からラストまで働いてきました。
Mさんは新型コロナウイルスのために3月下旬から休業を命じられ、お店も4月4日から臨時休業になりました。店が再開したのは7月20日からでした。正社員を中心に3~5名、常勤アルバイト1名の態勢でやっているそうです。Mさんをはじめとした短時間バイトはいまだ働けていません。当然、休業中ですから休業手当が払われるべきです。しかし、Mさんは3月下旬のシフトが決まっていた4日間だけしか休業手当をもらえていませんでした。生活に困ったMさんはユニオンに相談。休業手当をもらえていない労働者への救済策として政府が「休業支援金・給付金」制度を新たに作り、その申請期限が当時は迫っていたこともあり会社に問い合わせると、会社の答えは「シフトが決まっている日で休業になった日は十割払っている」「4月以降はシフトが決まっていないので休業にはならないので休業支援金制度の対象にはならない」「労働局もこれで納得している」と言うものでした。こんなことがまかり通ればせっかくの雇用維持、救済策が使えず、多くのアルバイトは生活困窮に陥ってしまいます。
会社は労基法を守れ! 雇用契約書に労働時間を明記しろ!  
会社は「アルバイトの希望を聞いて売上など勘案して2週間ごとにまっさらからシフトを決めている。個々人の希望どおりシフトに入れるわけではない。」として労働時間は2週間のシフトで初めて確定されるので、シフトが無ければ労働日も無いので休業も無いという主張を強弁しています。Mさんの雇用契約書では勤務時間と休日について「シフト表による」としか記載がありません。労働基準法第十五条(労働条件の明示)「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」そして労働基準法施行規則で、始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項について
書面交付が義務付けられています。会社が言う個々人の希望を取って労働時間を決めている場合でも【始業・就業の時刻等が勤務態様等により異なる場合】 (昭63.3.14基発150号、平11.3.31基発168号)「①同一事業場において、労働者の勤務態様、職種等によって始業及び終業の時刻が異なる場合は、就業規則に勤務態様、職種等の別ごとに始業及び終業の時刻を記載しなければならない。②しかしながら、パートタイム労働者等のうち本人の希望等により勤務態様、職種等の別ごとに始業及び終業の時刻を画一的に定めないこととする者については、基本となる始業及び終業の時刻を定めるとともに、具体的には個別の労働契約等で定める旨の委託規定を設けることで差し支えない。なお、個別の労働契約等で具体的に定める場合には、書面により明確にすること。 」となっています。また、会社のアルバイトの就業規則にも「勤務日及び勤務時間は各人毎に雇用契約書にて定める」とあります。就業規則違反、労基法違反は明らかです。なお労働条件の明示義務に違反した場合は30万円以下の罰金が法定刑となっています。(労基法120条1号)会社の「シフトによる」という労働時間の決め方は労働者の生活を限りなく不安定にさせるもので到底認められるものではありません。
会社はアルバイトの雇用と生活を守れ!雇用責任、社会的責任を追及するぞ!
雇用調整助成金の特例措置、休業支援金制度では新型コロナよる休業であればシフト決定前でも休業前の就労実態を踏まえて申請を認めています。㈱クリエイト・レストランツ・ホールディングスは東証一部上場の会社です。社員4,457名、臨時従業員31,660名、1149店舗、259ブランド(2020年2月末現在)で全国展開している大企業です。家賃補助や持続化給付金など様々な助成金・補助金やGo To Eatキャンペーンも行われ、休業手当も企業が負担しなくていいように雇用調整助成金制度、休業支援金制度もあります。多額の税金を使って企業は支援受けています。これらは雇用を維持しコロナが終息したら社会が円滑に動き出せるための施策です。それにもかかわらず会社はアルバイトの生活を保障しようとはしていないのです。3万人ものアルバイトが本来もらえるはずの休業手当をもらえず生活に困っています。こんなことが許されて言い訳はありません。企業活動には、利潤追求が第一ではなくコンプライアンス(法令遵守)、CSR(企業の社会的に責任)がまず求められるのは当然です。会社は正社員に限らず、アルバイトに対しても雇用と生活を守るべきです。
ふれあい江東ユニオン・下町ユニオンは、労働者の生活と権利を守るために闘います。
働く仲間の皆さん、市民の皆さん、ご支援をよろしくお願いします。
抗議先
㈱クリエイト・レストランツ・ホールディングス
 代表取締役社長  岡本 晴彦
  品川区東五反田5-10-18  電話03-5488-8026
2020年10月
東京東部地域ユニオン協議会(下町ユニオン)
ふれあい江東ユニオン
 東京都江東区亀戸7-8-9 松甚ビル2F  電話03-3638-3366