職場のいじめ・ハラスメントほっとラインを実施

下町ユニオンニュース 2020年7月号より
6月からパワハラ防止法が施行
 職場のいじめ・ハラスメントほっとラインを実施

東京労働安全衛生センター 飯田勝泰
 
 6月1日から職場のパワーハラスメント防止法が施行され、事業主のハラスメント防止措置が義務化されました(中小企業は2021年4月から)。
 パワハラ防止法では、職場における「パワーハラスメント」を、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものとして①~③までの要素をすべて満たすものと定義づけ、事業主に対し、職場におけるパワハラ等ハラスメント問題に取組むことを法律で義務づけました。
 法施行日の6月1日と2日の両日、全国労働安全衛生センター連絡会議とコミュニティユニオン全国ネットワークは、北海道、東京、名古屋、大阪、福岡の5か所で、「職場のいじめ・ハラスメントほっとライン」を実施しました。東京は東京労働安全衛生センターの事務所で相談を受け、2日間で24件、全国では117件の相談が寄せられました。
 東京の相談では、社会福祉施設の職員、看護師、地方公務員、銀行員、社宅管理人、薬剤師、弁護士事務所職員など、意外に福祉系、医療系で働く方の相談が多かったです。
 ある介護施設の職員は、長時間労働と上司から嫌がらせ(無視や書類をわざと無くすなど)をうけ、退職に追い込まれました。また訪問看護ステーションの看護師は、先輩から無視され、業務に必要な電話やメールにも応答されず、社長からは「今は耐えるとき」と言われ、退職を決意したと言います。地域のユニオンを紹介したり、体調不調者に受診を勧めたり、継続相談にしたケースもありました。
 ホットラインに寄せられた相談は氷山の一角です。職場のいじめ・嫌がらせ、パワハラで悩み苦しんでいる労働者の権利救済や再発防止対策は急務の課題です。
 ハラスメント問題に関する関心と理解を深め、あらゆるハラスメントを許さない職場環境作りと、働き方を実現するための取組みを進めていきましょう。