働くもののいのちと健康を守る労働行政を!東京労働局との交渉報告

下町ユニオンニュース2016年132月号より
 11月1日(金)午後、九段合同庁舎の会議室で東京労働局との交渉を行いました。交渉には下町ユニオンをはじめ労働組合、NPO、被災者団体の仲間30名が参加しました。
■急増する建設現場での労災防止対策を
 東京では建設現場での死亡・重傷災害が増加しています。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催や東日本大震災の工事も相まって技能労働者が不足し、労働災害の増加か懸念されます。昨年6月に東京労働局が実施した都内360の建設工事現場の一斉監督では、6割以上の226事業場に労働安全衛生法違反がありました。政府は今後、人手不足を外国人技能実習生や外国人就労者を活用して補おうとしています。昨年7月に安全衛生規則が改正され、建設工事現場での足場の組立て作業の特別教育の実施が義務付けられましたが、外国人労働者向けのものはありません。安全課に質問しても回答できませんでした。工事現場での墜落・転落は死亡災害に直結します。監督指導の強化とともに外国人労働者に対する安全教育の徹底を要請しました。
■長時間労働の削減と過労死防止対策を
 電通の髙橋まつりさんが過労とパワハラで自死に追い込まれました。企業責任はもとより国の長時間労働削減と過労死防止対策が厳しく問われています。
 交渉では時間外労働時間を1か月80時間ではなく45時間以内に削減すること、36協定の届出と「時間労働時間の上限基準」の遵守はもとより、「特別条項付き36協定」で事実上無制限に長時間労働を許容している実態を是正するために厳しい監督指導を求めました。
 監督課は長時間労働の削減が最重点課題であり、時間外労働を45時間以内になるよう事業所への監督指導を強化すると答えました。使用者に対し、1か月の時間外労働の上限規制と勤務間インターバル規制を法律で義務付けることが必要です。監督課は私たちの要請を本省に上申すると回答しました。
■介護労働者の結核・疥癬の感染症予防を
 今年、江戸川、亀戸、向島各労基署との交渉で、昨年度、結核感染による労災認定が2件、3件、6件、また疥癬が7件、0件、5件出ていることが分かりました。福祉施設の介護労働者の腰痛対策や感染症予防対策の徹底を要請しました。
東京労働安全衛生センター 飯田勝泰